氷みずで冷却します。
なぜ冷却する?
人の身体は熱を作っている
私達は日常で活動して平常体温を保っています。
具体的には筋肉を動かしたり、関節を動かしたり、内蔵を動かしたり「熱」を作り出しています。
そして、呼吸、排便、汗などで作り出した熱を「放熱」し一定の体温を保っています。
人の身体は放熱する機能よりも熱を作り出す機能の方が圧倒的に多いです。
熱がこもる炎症となる
放熱が間に合わず、熱がこもる「炎症」となります。
炎症は病気の元ですよ。
具体的には、肺炎、気管支炎、胃炎、結膜炎、口内炎、膀胱炎、うつ熱、歯周炎、関節炎、踵骨炎など…
たくさんありますね。
なぜ、熱がこもる?
原因1:放熱機能が弱い
呼吸、排便、汗をかく、など放熱機能は少ないです。
原因2:たくさん使う
車のオーバーヒートと同じですね。
たくさん使う、使い方続けると熱が大量に発生して炎症を起こします。
考え過ぎて起きる「知恵熱」なども同じですね。
原因3:関節のレールがズレている
引き戸を思い浮かべてみてください。
レールがズレた状態で繰り返し使うと摩擦熱で壊れますよね。
原因4:関節がサビている
自転車を思い浮かべてみてください。
サビた状態で自転車をこぐとチェーンは熱くなって壊れますよね。
炎症を抑えるには冷却が一番
身体が熱を作り過ぎてこもった熱を抑えるには冷却が効果的です。
パソコンやスマホは扇風機などで冷却しますが、
人の身体の60%は水分なので、同じ液体の「氷みず」で冷却すると効果的です。
冷却のやり方、アイシングのやり方
氷の準備
- 氷を入れる袋を用意する。(氷のう、ジップロック、ビニール袋など)
- 袋に氷を入れる
- 袋に水を入れる。水は少量でOK(氷の表面が濡れる程度)
冷却の場所
どのような症状であっても「骨盤」は必ず冷却しましょう。
理由は身体の土台であり、動きのはじまりの部分になるからです。
場所は腰のやや下側です。
仙骨といわれる部分で腰とお尻の中間あたりになります。
これに加えて、症状がある患部も冷却してOK。
- 股関節:付け根あたり
- 膝:左右と後ろの3方向から(真上は膝蓋骨があるので冷えにくい)
- 足首:左右せで挟む
- 首:背中側で下を向いて出っ張るところを中心
- 肩、肘:左右に挟む
- 手首:上下に挟む
足首や手首を捻挫した時はバケツに氷みずを入れて足や手を突っ込むのもOK。
よくある質問
Q1:どうして氷みずなのですか?
氷みずは2〜4°の温度を安定的に保つことが出来るからです。
例えば、ビールを冷やすのに「冷凍庫に入れる」のと「氷みずに付ける」のとでは、
どちらが早く冷えるでしょう?
そうです。
氷みずのほうです。
液体のどうしの方が熱交換が早いのです。
Q2いつ冷却しますか?
ウオーキングや運動など使った直後がいいです。
野球のピッチャーでも試合で登板した後は直ぐに冷却していますよね。
もし、できなければ一日の終わりなどきめて行うのもOKです。
ウオーキングしない日でも一日に1回冷却するのがおすすめです。
Q3:どれぐらい冷却しますか?
目安は20分です。
続けて行うな場合は1時間ほど間隔をあけて行ってください。
腫れや炎症が強い場合は1日に4〜5回ほど行ってください。
Q4:直接ですか?
はい。
氷のうを患部に直接あてます。
苦手な方はハンカチやガーゼなどを一枚挟んでもOK。
挟む布が分厚いと冷却効果が弱いので注意してください。
Q5:冷え性ですが大丈夫ですか?
ご自身のお身体と相談して無理のない範囲で行ってください。
局所の冷却なので急激な体温低下が起きるわけではありません。
Q6:アイスノン・保冷剤でもいいですか?
アイスノン・保冷剤は便利ですが、冷蔵庫に入れたジェル状態だと直ぐに温度が上がるので冷却効果が弱いです。
冷凍庫に入れたカチカチ状態だと凍傷になる可能性があります。
Q7:シップでもいいですか?
シップはお薬を皮膚から浸透させて鎮痛効果を得ています。
貼った瞬間は冷んやりとしますが冷却の効果はありません。
Q8:冷えピタでもいいですか?
冷えピタは冷たいというリラックス効果であって炎症の熱が取れる訳ではありません。
逆に貼ることで上から蓋をする感じで熱が逃げにくくなります。
もし、貼るなら1時間ていどのリラックス効果にしておきましょう。
Q9:冷却はお風呂の前がいいですか?後がいいですか?
どちらでも大丈夫です。
お風呂の場合、42°以上で15分以上の入浴をすると身体に熱がこもるので注意しましょう。
Q10:冬場でも冷却しますか?
冬場でも身体に熱はこもるので冷却は行います。
お風呂の後や毛布をかけたりと工夫してみてください。
Q11:カイロは貼ってもいいですか?
鎮痛を目的とする場合、温めても、冷やしてもどちらでも鎮痛効果が期待できます。
しかし、温めると熱を加えるので炎症が強くなる可能性があります。
また、熱を加えて続けると皮膚や細胞の働きが悪くなったり、骨や軟骨が溶けて変形を作る原因にもなります。
おすすめ氷嚢
まとめ
●なぜ冷却する?
- 人の身体は熱を作っている
- 熱がこもると炎症となる
- 熱がこもるのは使い過ぎ
- 炎症を抑えるには冷却が一番
●冷却のやり方
- 氷のうに氷と水を入れて氷みずを作る
- 腰とお尻の中間あたりの仙骨部分を冷却する
- 氷のうを直接あてる
- 時間の目安は20分程度
- シップ、アイスノン、保冷剤は使わない
次は「症状改善ステップ2:正しい座り方」にお進みください。
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